富士電機、日本ベネックス(長崎県諫早市)、住友商事は、電気自動車(EV)のリユース蓄電池を用いた新型の蓄電池システムを共同開発し、第1号機を日本ベネックス本社工場に設置し稼働を開始した。富士電機は同システムを商品化し、産業用システムとして販売する。
同システムは、20フィートのコンテナに日産自動車のEV「LEAF」24台分のリユース蓄電池を格納したもので、日本ベネックスの高密度積載設計技術により従来の2倍の積載効率を実現。環境への配慮と経済合理性の両立を可能にする。
富士電機の蓄電制御技術をベースとしており、工場やビルの電力需要ピーク時の補助電源として電気代の削減に貢献するほか、太陽光発電システムで発電した電力を自家消費することもでき、災害時のバックアップ電源としても好適となっている。
また、国が推進する通信規格(Open ADR)に対応。外部のサーバーから充放電などの運転を制御することができ、今後普及が見込まれるVPP(バーチャル・パワー・プラント)などの新しいエネルギーマネジメント事業を通じて、電力ネットワークや地域におけるエネルギー需給の最適化にも寄与する。
富士電機は、自社の販売網を通じて同システムを産業用に販売するほか、住友商事九州など同グループの協力を得ながら、全国に展開する予定。