FAプロダクツ(東京都港区)とオフィス エフエイ・コム(栃木県小山市)、ロボコム(東京都港区)は、産業用ロボットとIoTを融合させた体感施設「スマラボ(スマートファクトリーコンダクターラボ)」を5月16日にオープンする。複数メーカーのロボットとビジョン、搬送系を組み合わせ、現場の作業工程を再現したシステムを展示し、ロボット未導入企業、特に中小企業がロボットとIoTを体験・体感できる施設となっている。
中小企業向け
同施設は、栃木県小山市にあり、東京からJR宇都宮線で1時間超と、栃木県内はもちろん、埼玉県や群馬県、茨城県の工場からも圏央道、東北道経由で来所できる良アクセス。北関東でロボットを体験・体感できる拠点として開設された。
施設内は、約300平方メートルの場内を、物流、自動車・機械、食品、IoTの4つのゾーンに分け、それぞれにロボットシステムを展示。単にロボットを展示するのではなく、ロボットとハンド、ビジョン、コントローラ、搬送と制御にいたるまで、そのまま現場に導入しても使えるところまでシステムを組んだパッケージとして展示している。これからロボットを使おう、導入したいという人が見た時、どれくらいのスペースが必要で、どんな形になるのかイメージし、体験できるようにしたという。
実際に物流ゾーンでは、入出庫を想定したパレタイジングとデパレタイジング、大小混在する商品の仕分け、AGVのデモ。機械・自動車ゾーンでは、金属ワークの3Dばら積みピッキングとコンベアパッケージ、2台のロボットを協調動作させる嵌合作業システム、IoTゾーンではORiNで組んだ3Dピッキング、上位システムと連携した小型ロボット、自走式検査・搬送ロボットに加え、装置の稼働監視や予知保全などIoTツールを展示している。
また食品ゾーンでは、地域にある中小食品工場の現場を想定し、お弁当の複数のおかずを弁当箱に詰めていくシステム、コンビニおにぎりの整列・出荷準備システム、レトルト食品の箱からの取り出し、並べ入れシステムが体感できる。
いずれのシステムも、労働力不足に悩む中小企業向けを想定し、相場価格よりもだいぶ抑えた形で構成。1パッケージあたり相場の約半分程度となる1500万円~2000万円程度という。
また、使われているロボットやビジョン、コントローラなど主要製品は、1社にこだわらずマルチメーカーに対応しているのも特徴。ロボットは安川電機、ファナック、三菱電機、エプソン、デンソー、ユニバーサルロボットなど。ビジョンもコグネックス、キヤノン、リコーなどを使い、各アプリケーションに最適な組み合わせで構成したシステムを展示している。
SI育成も
また、同施設はロボットSIの育成に向けた研修センターとしても活動する。1階での実機を使った実技研修に加え、2階のセミナールームで座学にも対応。「とちぎロボットフォーラム」をはじめとした各団体と連携し、SIの育成を行い、「1年で社内30人、外部で40人から60人ほどの育成を考えている」(オフィス エフエイ・コム飯野英城社長)。
利用は事前予約制で、同社ホームページから(http://smartfactorylabo.com/#contact)