ロームは、UPS(無停電電源装置)や溶接機、パワーコンディショナーなどの産業機器や、エアコン、IHなどの民生機器の汎用インバータ・コンバータでの電力変換に最適な650V耐圧IGBT「RGTVシリーズ(短絡耐量保持版)」「RGWシリーズ(高速スイッチング版)」計21機種を新たに開発した。サンプル価格は400円〜/個。
IoT化によるデータ量増加にともない、サーバー本体はもちろん、システム全体で消費電力量が大幅に増えている。また、IGBTを使用する大電力アプリケーションでは、デバイスの故障や機器の誤動作につながるスイッチング時のオーバーシュート対策が必須となっており、簡易化が求められている。
新製品は、薄ウエハ技術を駆使することで従来品と比較してウエハ厚を15%薄型化したことに加え、セルを微細化した同社の独自構造を採用し、業界トップクラスの低導通損失および高速スイッチング特性を達成。アプリケーションの低消費電力化に貢献する。
さらに、デバイス内部の最適化により、スムーズなソフトスイッチングを実現。同等効率の一般品と比較した場合、電圧のオーバーシュートを50%低減できたことで、従来必要とされていた対策部品などの搭載点数を削減するとともに、大幅に設計負荷を低減する。
同社では、短絡耐量2µs保持が特長のRGTVシリーズと、高速スイッチング性能が特長のRGWシリーズの2種類をラインアップに加えることで、幅広いアプリケーションに対応できるようになるとしている。