・2017年 国内コグニティブ/AIシステム市場規模は、274億7,600万円(ユーザー支出額ベース)。ソフトウェア/サービスの成長が著しい
・18年以降はリスク検出/分析や自動顧客サービスなどの成長により、17年~22年の年間平均成長率は60.7%、22年の市場規模は2,947億5,400万円と予測
・ベンダー/システムインテグレーターは、アプリケーションソフトウェアへのAIの組み込み、AIシステムの運用支援サービスの強化などが必要
IDC Japanは、国内コグニティブ/AIシステム市場を調査し、17年の市場の分析と18年〜22年の市場予測を発表した。
17年の国内の同市場規模は、ユーザー支出額ベースで274億7600万円になったと推定。企業による実証実験から実システムへの適用、およびソフトウェアへのAI機能の組み込みが進み、市場規模は16年と比べてほぼ倍増したと推定している。
18年以降はAIシステムの「パーベイシブ化(普及)」が進み、同市場は急速に拡大すると予測。また、金融などでのリスク検出/分析、サービス業などでの自動顧客サービスへのAI適用が進み、17年〜22年の年間平均成長率は60.7%で成長し、22年には2947億5400万円の規模になると予測している。
▲国内コグニティブ/AIシステム市場、セグメント別ユーザー支出額予測
IDC Japanの眞鍋敬グループディレクターは、「ITサプライヤーは、ユーザー企業におけるAIシステムの実ビジネス適用を進めるためのアプリケーションソフトウェアへのAI機能組み込み、適切な教師データ選択/作成支援などのサポート体制整備、およびユーザー企業がAIシステムを利用する際の運用支援の強化を行うべきである」と分析している。
IDCではコグニティブ/AIシステム市場を、自然言語処理と言語解析を使用して質問に応答し、機械学習をベースとしたリコメンデーションとディレクションを提供することで、人間の意思決定を補助/拡張する技術として定義している。同市場は、ハードウェア/ソフトウェア/サービスのITテクノロジーによる分類と、ビジネスでの利用方法(ユースケース)に即した分類方法で分析している。