村田機械は、自動倉庫に搭載する監視用カメラシステム「CSU-100」に、ディープインサイト(東京都品川区)のエンベデッド・ディープラーニング・フレームワーク「KAIBER」を組み込み、AIによるリアルタイムの画像解析をシステム制御に活用することで荷物移載時のトラブル低減・稼働効率向上を図る自動倉庫システムを開発、設備稼働環境での実証試験を開始した。
配送センター内の物流システムの中核である自動倉庫では、移載装置上やラック内の荷崩れ、梱包の不備などをいち早く検知することで未然にその後のトラブルを回避することが可能となるが、扱う製品荷姿が多種多様になり、同時に処理速度向上が要求されるなか、従前のセンサによる検知だけでは判断に十分な精度を得ることは難しいのが実情だった。
「KAIBER」は、国内初の組み込み分野に特化したディープラーニングフレームワークで、エッジコンピューティングの領域にフォーカスし、センサユニットやゲートウェイ、産業用コントローラ等のマイコンデバイスに「簡単に」「素早く」ディープラーニング技術を組み込むことが可能。ディープラーニングによるリアルタイムの画像解析をカメラシステムに組み込むことで、人の目で監視するのと同様のリアルタイムな判断により、検知能力の大幅な向上が期待できる。
同社は、犬山事業所(愛知県犬山市)内の自動倉庫で検証を進め、今秋にもフィールドでの実運用を開始する計画。