安川電機は、船級規格に対応した「マトリクスコンバータU1000 EMCフィルタ内蔵タイプ」を5月31日から発売した。価格はオープン。
船舶ではディーゼル発電機または油圧でさまざまな機器を駆動。近年は省エネを目的としたインバータ化が加速しており、船舶においても活用が注目されているが、インバータの原理に起因する高調波電流がディーゼル発電機に悪影響を及ぼすため、その対策として周辺機器を追加するなどコストアップや設置スペース増が課題となっている。
このような背景から、同社では省エネ効果で高評価を得ている「マトリクスコンバータU1000」を各種船級規格に適合させ製品化。各国の船級規格に準じているため、設備の船級取得時に必要な試験項目を省略でき、申請期間を短縮できる。
入力電源が商用電源とほぼ同様な正弦波で、電流ひずみ5%以下を実現。高調波対策のための電源回生コンバータや高調波フィルタなどの周辺機器が不要で、制御盤の小型化に貢献する。
また、高調波電流が小さいため、モータ駆動に必要な発電機の電源容量を抑えることが可能。汎用インバータでは高調波対策をするか、必要電源容量よりも十分大きな発電機容量が必要だが、既設の発電機の場合はその容量を有効に使うことができる。
製品容量は3相400V級/15~185kWで計18機種をラインアップ。主な用途は、船舶のデッキクレーン、ウィンチ、空調・ファン、ポンプ制御など。