ABBは6月4日、愛知県豊田市に「ABBロボティクスアプリケーション・センター中日本(豊田市鴻ノ巣町4-86-1)をオープンした。自動車関連産業と金属加工業を対象とし、特に新規でロボットシステムを導入したい、検討しているという企業や、これまで人手で行っていた工程をロボット化したいというニーズを解決に導いていく。
同センターは世界に28カ所あり、国内では東京都多摩市に続く2カ所目。2階建て約700平方メートルの建屋内に7台のロボットブースを設け、自動車や自動車部品、金属加工業などを対象としたアプリケーションテストができる体制。プレス機械向け搬送ロボットシステム、力覚センサを使ったフォースコントロール、工作機械へのワーク投入と取り出しをワンパッケージで提供している「FlexLoader SC3000」、3D品質検査パッケージ「FlexInspect」と双腕の協働ロボットYuMiを使ったばら積みピッキングと外観検査を組み合わせた自動検査システム等を展示している。
さらに、センター内のロボットはABBConnectでつながり、デジタル化を実現。全軸の状態を監視し、負荷状態が見えるようになっていて、予知保全やサポート等にも生かされている。
ロボティクス事業部の中島秀一郎事業部長は「自動化の進捗具合について感覚値ではメーカーを100とすると、Tier1は60、Tier2、Tier3になるとガクンと落ちる。いま引き合いが多いのは、そうした自動化やロボット化がまだ進んでいないTierXという層だ」と分析。その上で、「日本市場は有力顧客の存在、有力な競合メーカー、優れた部品サプライヤーなど年々その重要性は高まっている。アプリケーション・センターをユーザー企業とロボットSI、当社の技術者が協働して新しいものを生み出していく場として有効に活用したい」としている。