「AIの民主化」を目指し、誰でも簡単に超高精度の予測モデル生成ができる世界でも最先端の機械学習自動化プラットフォームを提供するDataRobot(東京都中央区)は5月31日、パナソニック ビジネスイノベーション本部 AIソリューションセンター 戦略企画部 井上昭彦部長を迎えてパナソニックのAI戦略についてトークセッションを行った。
日本でもAIへの関心が高まっているが、実際の取り組みはまだまだ。パナソニックが早くから取り組むことができた理由について井上氏は「20世紀に電化、デジタル化で成功し、大量生産時代は良かったが、21世紀のインターネット時代になって勝つことができなかった。そこにリベンジしたかった」という。
AIの利用は、新事業創出と既存事業の改善が主。具体的にAI戦略を進める際には社内の人材育成から始め、そのツールとしてDataRobotを使っているという。2016年から5年で1000人の育成目標に対し、現在は300人の育成が完了したとのこと。受講者の多くが20代から30代の若手クラスで、現場に近いR&Dの人材の参加が多いという。
井上氏は、AIをうまく使うためには業務とAIを理解しておくことが必要で、特に事業部、現場の人がAIを使うようになるのが理想だが、実際には現場業務の理解が浅いR&Dや若手人材の参加が多く、なかなか難しいと話している。
今後について「パナソニックでもまだAI戦略は始まったばかり。ものづくりメーカーの業務プロセスを変革し、新しいサービス開発に期待してほしい」とセッションを締めた。