〜アラーム発生前後の動画を自動で保存〜
IoTといえばセンサがつきもの。温度センサ、振動センサ、加速度センサ、照度センサなど、データ収集には欠かせない存在だが、そのセンサを使用せずに工場内のIoT化を実現するシステムがある。
ソフィックスの操作パネル画像認識システム「SOFIXCAN Ω EYE(ソフィックスキャン オメガ アイ)」だ。
既存の工作機械や装置にカメラを取り付けるだけで、対象機器をネットワークに接続し、どんなに古い機械でもすぐにIoT化してしまう同システムは、「古い機械を改造したくない」「コストをかけたくない」という理由からセンサの配線を嫌がるユーザーに応える形で開発された。
工作機械の制御ソフトウェアの開発や画像処理システムを手がける同社の技術を生かし、ツールやマニュアルはしっかり作りこみ、導入しやすいパッケージ製品となっている。
▲カメラで操作盤の表示を読み取りデータ化する「SOFIXCAN Ω EYE」のデモ
機械の操作盤を撮影するカメラと画像処理などを行う小型の本体(Raspberry Pi)、取り付けアーム、マグネットスタンドで構成され、カメラの角度調整や、操作盤を映し出す画像補正、自動認識するランプや文字の設定をするだけなので、ユーザー自身で簡単に設置・設定が行える。
稼働状況などを収集したデータはパソコンやスマートフォンで確認ができ、トラブル発生時にはアラームをメールやSNSで通知してくれる。
アラーム発生の前後30秒間の画像・動画を自動保存するため、トラブルの原因解明にも役立つという。
古い制御盤を借りてきて研究したり、「何ができたら現場の人は嬉しいのか」を知るために、大手企業から町工場まで実際に足を運んで話を聞き、取り付け器具1つの選定にもこだわったという開発の苦労は、2018年3月からアナログメーターの読み取りも可能になるなど、今なおユーザーの声を聞きバージョンアップに反映している。
価格は工具感覚で導入できるようにと、19万8000円(税抜き)で提供。
▲「ユーザーから具体的な要望が出てくることが、工場のIoT化が進む鍵」と語るソフィックスの大木宏志さん。現在も多くのユーザーの要望に応えるため、さまざまな構想を立てているという
参考:株式会社ソフィックス
詳細:「SOFIXCAN Ω EYE」
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