~電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド自動車や車載電池の開発に最適~
横河電機は、データを収集・制御するOpreX Data Acquisitionのラインアップとして高耐圧アナログ入力モジュール「GX90XA-10-V1」を開発、7月9日より発売しますのでお知らせします。
本モジュールの追加により、高耐圧環境で多チャネル測定が必要な、電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド自動車やそれら向けの車載電池の開発および生産ラインにおける性能評価試験に用途が拡大しました。
開発の背景
レコーダならびにデータアクイジションシステム(データロガー)は、さまざまな産業の生産現場や開発現場等において、温度、電圧、電流、流量、圧力などのデータの収集・表示・記録に使用される機器です。
レコーダやデータアクイジションシステムから成るデータ収集制御機器群をOpreX Data Acquisitionとしてラインアップしており、各種業界の求める要件や規格などを含めたさまざまな市場のニーズに合わせて、入出力モジュールのラインアップ拡充や機能強化を図ってきました。
レコーダについては、当社は世界トップクラスのシェアをもっています。
現在、開発や生産が盛んな電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド自動車やそれら向けの車載電池の性能評価試験では、電圧データをセル単位で測定したいという要求があります。
車載電池では、数百のセルを連結した状態で使用するため、個々のセルのデータを収集するとなると何百点ものデータを同時に測定する必要があります。また、車載電池としての出力電圧は数百ボルトになるため、アースと測定端子間に高い電圧(高コモンモード電圧)がかかっても十分に耐えうる高耐圧性能が求められます。
今回当社は、二次電池を搭載した自動車や車載電池関連のお客様をはじめとする、高耐圧・多チャネル測定が必要なお客様に最適な測定環境を提供するために、OpreX Data Acquisition のラインアップに高耐圧アナログ入力モジュールを開発しました。
新製品の概要
「GX90XA-10-V1」は、OpreX Data Acquisition のラインアップであるタッチスクリーン ペーパレスレコーダ「GX シリーズ」、ペーパレスレコーダ ポータブルモデル「GP シリーズ」、データロガー スケーラブル・モジュラー・モデル「GM10」に挿入して活用する、アナログ入力モジュールです。
1. 高耐圧・多チャネル
「GX90XA-10-V1」は、二重絶縁構造で、そのコモンモード電圧は、600V ACrms または600V DC です。また、「GX シリーズ」「GP シリーズ」に装着すると最大入力450 チャネル、「GM10」に装着すると最大入力420 チャネル、最短測定周期100ms(ミリ秒)の高速サンプリングが可能です。
高耐圧・多チャネル測定が要求される車載電池関連の開発・生産ラインにおける性能評価試験や、高耐圧の電圧測定が要求される、電解槽による電気分解工程の評価試験に適しています。
2. オープンなネットワーク機能
「GX シリーズ」「GP シリーズ」「GM10」は、LAN 規格であるEthernet や産業用ネットワークに広く採用されている通信プロトコルModbus に対応し、上位の制御システムや他社品との接続ができます。
これらに「GX90XA-10-V1」を装着することで、高耐圧環境での測定データを上位システムから監視したり、収集したデータをデータベースに格納して共有したりすることが可能です。
主な市場
・電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド自動車メーカの開発・生産
・二次電池、燃料電池などの車載電池メーカの開発・生産
・幅広い産業の電解槽を活用する現場
用途
温度、電圧、電流、流量、圧力などの測定
年間の販売目標(海外での販売を含む)
2018 年度 1500 台
2021 年度 3,000 台