日本半導体製造装置協会(SEAJ)は7月5日、2018年度から20年度までの半導体・FPD製造装置の需要予測を発表した。半導体とFPD製造装置を合わせた需要は特に半導体製造装置が牽引し、17年度の2兆5352億円(実績)から、18年度に2兆7943億円、19年度に2兆8699億円と拡大し、20年度には3兆179億円に達する見込み。年平均6.0%の右肩上がりで成長を続ける見通しを示した。
半導体製造装置国内市場 13年ぶりの1兆円超えも
18年以降の半導体市場は、PCやスマホ需要への依存から、動画配信の需要でデータセンター関連が急拡大。19年には5GやIoT、AI、自動運転の本格化などでデータ量がさらに増え、半導体需要は重層的な広がりを見せはじめている。
WSTSの予測によると、18年の世界半導体市場は12.4%増と2年連続で二桁の急成長となるが、20年度には4.4%増と安定成長に移行する見通し。設備投資は大手ロジックメーカーとファウンドリの投資は堅調。メモリメーカーは3D-NANDからDRAMに投資の重心が移行する形で大型投資が持続すると見ている。19年以降は中国ローカルメーカーによる大型投資が本格化し、継続的な拡大が見込まれている。
世界市場における日本製の半導体製造装置の販売予測について、18年度は前年度比12.7%増の2兆3027億円。19年度もメモリメーカーとファウンドリの投資増加を見込み5.0%増の2兆4176億円、20年度も広がりを期待して5.0%増の2兆5385億円となっている。
日本市場は、18年度は3D-NANDやDRAM、イメージセンサ向けの投資が期待され、14.5%増の9314億円と予測。19年度は4.0%増の9683億円、20年度には4.0%増の1兆71億円を見込み、13年ぶりの1兆円の大台超えを狙う。
18年以降のFPD市場について、18年はパネル価格の下落が続き、日韓台の主要パネルメーカーの営業利益率が赤字転落レベルまで悪化している。中小型ディスプレイ市場はスマートフォンの有機EL化が苦戦し、第6世代基盤のOLED投資が延期傾向。テレビ向けは18年に中国で大型パネル向け10.5世代基板の投資が本格化し、想定通りの装置需要が見込める。しかし全体としては慎重な見方となっている。
世界市場における日本製FPD製造装置の販売予測について、18年度は有機EL投資延期と中国の10.5世代基板用投資が相殺し、前年比横ばいの4916億円。19年度は有機EL投資の復活に時間がかかり8.0%減の4523億円。20年度はOLED投資復活を見込み6.0%増の4794億円と予測している。