- シスコシステムズが、国内ネットワーク機器市場全体の半数近いシェアを持つ圧倒的なリーダー
- 2位以下は、シェアポイント4~5%の間に7ベンダーがひしめき合う混戦状態
- 混戦から抜け出すためには、幅広い製品ポートフォリオを持ちワイヤレスファーストに即した製品ラインナップ強化を進めるべき
IT専門調査会社のIDCは、イーサネットスイッチ、ルーター、企業向け無線LAN機器からなる国内ネットワーク機器市場について、2017年のベンダーシェアを発表した。これによると、シスコシステムズが、国内ネットワーク機器市場全体の半数近い46.6%のシェアを獲得し、圧倒的な市場のリーダーであることがわかった。
さらに、ルーター、イーサネットスイッチ、企業向け無線LANの製品セグメントにおいてもシスコシステムズが50%前後のシェアを獲得。企業向けルーター市場におけるヤマハや、同じく企業向けのイーサネットスイッチ市場におけるアライドテレシスなど、領域ごとに強みを持つベンダーは存在しているが、総合力でシスコシステムズが大きく引き離す結果となった。
それに対して2位以下は、シェアポイント4~5%のわずか1ポイントの間に、7ベンダーがひしめき合う混戦状態となった。
製品分野別では、17年に成長した市場の一つであるイーサネットスイッチ市場においては、首位のシスコシステムズ以外にもアリスタネットワークスやジュニパーネットワークスがシェアを伸ばした。
また、国内企業向けルーター市場の中でも、最も市場規模が大きいSOHOルーター市場においては、ヤマハとNECが売上を大きく伸ばしシェアも増加。ヤマハは、同市場におけるシェアが50%に迫り、13年以降で最高のシェアを記録した。
企業向け無線LAN機器市場も、17年は大きな成長を達成。市場の成長は、ほとんどの上位ベンダーに恩恵をもたらし軒並み二桁成長を実現。圧倒的首位のシスコシステムズと混戦している2位以下のべンダーという国内ネットワーク機器市場の構図から抜け出すためには、成長性の高い無線LAN機器市場が重要といえる。
▼2017年 国内ネットワーク機器市場 ベンダー別 支出額シェア実績
Note: 企業向けおよび通信事業者向けのルーター、企業向け無線LAN機器、コンシューマー向けを含むすべてのイーサネットスイッチの合計
Source: IDC Japan, 7/2018