先日、ロボットシステムインテグレータ(ロボットSI)の業界団体である「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」が発足し、その設立記念パーティーに参加した。雰囲気はとても明るく、いたるところで名刺交換する光景が見られ、とても良いパーティーだった。
業界団体のパーティーに参加することはよくあるが、そこでは知り合い同士で固まるケースが多く、今回のように知らない者同士が積極的に人脈を作ろうとするものは珍しく感じた。
▼ロボットSIはそれぞれ得意分野がある。溶接が得意な企業もあれば、マテハンを多く手がけてきた企業などさまざま。またビジョンを使った画像処理に強い、ハンドに詳しい、あるメーカーを専門に取り扱っているという企業もある。
そうした企業が全国に散らばっていて、地元を中心に事業を展開している。逆に、総合的に何でもでき、全国や世界規模でビジネスをしている企業は決して多くない。だからロボットSI同士が競合することは少なく、逆に弱い部分を補える可能性が高い。協会の設立には、そうした横のネットワークを広げていこうという狙いもあるようだ。
▼パーティーを終え、今回の記事をまとめている時、ふと「梁山泊」を思い出した。梁山泊とは、中国の伝奇小説「水滸伝」で、英雄たちが集まる、物語の最も重要な舞台となる場所だ。日本では、優れた人物が集まる場所や組織を指す比喩としてよく使われる。
日本の製造業は、人手不足が深刻化し、少子化対策も解決の糸口さえ見えてこない。この閉塞感のなか、ロボットや自動化への期待は高まるばかり。でも、ほとんどの企業にはそれを扱う技術はなく、手も出せないのが実情だ。
それを解決する英雄こそロボットSIであり、彼らが集まったFA・ロボットシステムインテグレータ協会を梁山泊に例えてみても決しておかしくはない。原作の水滸伝のラストでは梁山泊は滅ぼされてしまうのだが、このロボット業界の梁山泊はそれとは違う成功の物語を紡いでいってほしいと真に願う。