リアルタイムOS「VxWorks」など、組み込み機器開発用ソフトウエアを展開するウインドリバーは7月11日、最高戦略責任者であるギャレス・ノイズCSO=写真=が来日し、インテルからTPGキャピタル傘下に移った後のこれからの戦略について紹介した。
ギャレス氏ははじめに市場環境の変化について触れ、同社は40年にわたって重要インフラなどクリティカルな分野に対してソフトウエアを提供してきたが、近年は機器やシステムの作り方が変化し、ソフトウエアデファインドで作る必要性が増していると説明。現在は機器同士がつながろうとしている第0段階で、これからはユーザーが求めるところにインテリジェンスが置かれる第1段階、ハードとソフトを切り離しソフトウエアデファインドで機器が自律化する第2段階を経て、最後はAIが搭載される段階に進んでいくだろうと予測した。
具体例として産業用ロボットを挙げ、単純作業を効率的に行ってきたロボットから、安全性を高めて人とロボットの協働になり、将来的には完全自律化したロボットが協調動作していく流れを示し、この時のソフトウエアは、コントロールではなく、運用の管理が重要となるとした。
この変革をリードする技術として、システムを隔離し完全性を担保する技術、ワークロードを統合化する技術、ITの拡張性とOTの完全性を生かす技術、マシンラーニング、フルードコンピューティングの5つを挙げ、今後同社はこれらを柱としてIoTに関連したポートフォリオを拡充していくと話した。