〜自動車、ロボット向けが拡大〜
日本政策投資銀行がまとめた「2017・18・19年度設備投資計画調査」によると、大企業の18年度の設備投資計画は全産業で21.6%増と7年連続の増加となる見込み。製造業は自動車の電子化に関する車載用電子部品や電池向けの投資と、自動車、産業用ロボット向け投資が増加し、非製造業では物流施設や不動産の都市部の大型再開発、インバウンド需要への投資が牽引する。
製造業に属する大企業の設備投資は17年度から27.2%の増加。電池材料や車載用電子部品など、自動車向けの投資が広い業種で拡大。投資動機は「能力増強」が電子部品などへの投資を中心に2年連続で上昇し、「合理化・省力化」を挙げた企業も増加している。
自動車を含む輸送用機械で電動化を含むモデルチェンジ対応の投資や研究開発、IoTを活用した合理化・省力化投資が増加し、化学や非鉄金属では電子・電池材料向け、半導体向けの能力増強の投資が増加する。電気機械では、自動車の電装化や省エネ需要を背景としたパワー半導体などの電子部品、有機EL関連の能力増強投資が増加するほか、一般機械では、自動車や産業ロボット向けの能力増強投資の大幅増などが見込まれている。
精密機械は新工場建設など半導体製造装置の能力増強、食品は合理化投資と、健康志向を受けた高付加価値食品が大幅に増加すると見られている。
非製造業は18.5%の増加。運輸の鉄道、物流施設整備や不動産の都心部大型再開発案件に加え、サービスでは、ホテルやテーマパークなどインバウンド対応の投資が続く。卸売・小売では、コンビニエンスストアの省力化投資など店舗への投資が増加する。
海外設備投資は、全産業で19.1%増と2年連続の増加。製造業は21.2%増で、輸送用機械、電気機械、一般機械などほぼ全ての業種で二桁の増加となる。非製造業は(10.9%増)は、鉱業が引き続き減少となるが、不動産などの牽引で全体では増加に転じる。
中堅企業も調査対象に含む地域別調査では、製造業は北海道を除く全ての地域で増加となり、全国計では25.4%増と5年連続の増加となった。非製造業は、中国を除く全ての地域が増加し、全国計では17.3%増と7年連続の増加となった。