オムロンは、外観検査工程の自動化を進める画像処理システム「FHシリーズ」を8月1日からグローバルで発売した。
新製品は、検査対象物によって、光の角度や色を自在に調整する「MDMC照明」により、人の目で捉えるしかなかった色差の低い欠陥や特徴の異なる欠陥の同時検出を可能にする。また、人の目では判別がつかない検査対象の微小な差異も定量的に検出・判断し、検査結果の数値管理も行える。
また、異なる角度から照明を当てた500万画素以上の高解像度画像を合成し、凹凸のある欠陥を浮かび上がらせ、検査対象物の模様からキズのみを抽出する「照度差ステレオ処理」の搭載や、コントラストの低い薄いシミや線キズなどをソフトウエア処理で強調して検出可能にする「前処理フィルタ群」を追加搭載。
さらに、8000万画素におよぶ業界最高解像度画像を用いた広視野での位置決めが可能となっており、FHシリーズが検出した位置データをモーターに高速フィードバックすることで、ステージの振動や搬送時の位置決め誤差で生じるリトライの発生を防止し、1ミクロン単位の位置決めを従来比3倍の速度で実行する。
そのほか、産業用ロボット各社の画像処理システムを接続する際のロボットとの通信設定やフローメニューの作成が不要になる「ロボットビジョン設定ツール」も搭載。
従来比2倍以上の高速処理の検査や検査結果の全数保存、また検査時の画像データ、日時やロットなどの検査情報と結果を、簡単にひも付けて保存することが可能。