沖電気工業は、高速光通信分野で培った技術を生かし、温度・ひずみ分布の測定時間を従来比約1000分の1に短縮した光ファイバーセンサー「WX-1033A/B」を7月23日から発売した。価格は「WX-1033A」が990万円、「同B」が1500万円。2020年までに20億円の売り上げを目指す。
新製品は、同社独自の技術「SDH-BOTDR方式」(特許取得済)を採用することで、従来のBOTDR方式では数十分かかっていた測定を1秒に短縮し、かつ低価格での提供を実現。また、内蔵した測定ソフトウエアにより、時間や距離における温度・ひずみ変化の可視化や、センサーの測定範囲・結果に応じた警報監視範囲の設定変更が可能となっている。
さらに、ModbusやMQTTなどのIoT通信プロトコルに対応。IoTGW、エッジサーバーまたはクラウドシステムと組み合わせてリアルタイム遠隔監視IoTシステムを構築できる。
「BOTDR方式」は、後方散乱光の1つである「ブリルアン散乱光」の周波数が温度やひずみに比例して変化する特性を利用した光ファイバーセンシング手法。「SDH-BOTDR方式」は、「ブリルアン散乱光」の周波数の変化を電気信号の位相シフトに変換して捉えることで、大幅に測定時間を短縮している。