amsは、今後の日本でのCMOSイメージセンサの設計・開発の強化と、同社のセンサソリューションの成長戦略を明らかにした。
イメージセンサソリューション(ISS)部門 シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャのシュテファン・カレル氏は、「日本は、自動車、産業機器、医療機器の市場に世界有数のマーケットを抱えており、amsはこれらの分野に注力している」と語り、日本のデザインセンターにて本格的にイメージセンサの設計・開発を行っていくとした。
▲シュテファン・カレル氏
同社は、センサの中でも、光センサ、イメージングセンサ、環境センサ、オーディオセンサの4つの分野に特化しており、各分野においてセンサICやモジュール、アルゴリズム、アプリケーションソフトまでトータルソリューションを提供できる強みを持っている。日本市場で特に力を入れるのがイメージングセンサであり、3DセンサやNIRセンサ、マイクロカメラ、医療用イメージングセンサなどを提供する。
同社の新製品であるグローバルシャッターCMOSイメージセンサ「CMV50000」は、4800万画素の高解像度で、8K動画毎秒30フレームというスピードで動作する。特許取得済みの8トランジスタピクセルアーキテクチャにより、低ノイズで優れた電子シャッター効率を実現した。日本では、2019年から応用製品の量産に入る予定だ。
▲「CMV50000」応用例
医療用では、1㍉㍍×1㍉㍍という極小のマイクロカメラがカテーテル治療に利用されている。日本では19年に量産予定となっており、細い血管用に0.7㍉㍍×0.7㍉㍍も現在開発中という。
また、「ストラクチャードライト」を使用した3Dテクノロジーで顔認証を行うことが可能であり、同社は複数の3D計測技術を開発している。光センサとイメージング技術を組み合わせることで、さまざまなシステムの提供も可能という。例えば、光センサとCMOSセンサの技術を融合させてドローンに搭載すれば、農作物の成熟や散布時期などが簡単にわかるというような製品も開発可能だ。
シュテファン・カレル氏は「現存のアプリやビジネスではなく、新しい技術をもってその先の今までにない提案をし、マーケットをクリエイトしていく」と戦略を語った。
東京のデザインセンターでは、メディカルイメージングの開発者のほか、17年から新たにマシンビジョン担当として4名のエンジニアが加わり、今後も採用予定という。
「日本の顧客に近い場所ということ、マシンビジョン、そしてメディカル、アカデミックの需要があること、さらに日本での優秀なエンジニアを確保しようという意図がある」と、プリンシパルエンジニアの河村克之氏は、東京での設計・開発を行う目的を説明した。
▲プリンシパルエンジニアの河村克之氏