~より過酷な環境に広く適応可能に~
ジェイテクト(大阪市中央区)は、特殊環境用EXSEV軸受シリーズのうち、セラミック軸受のラインアップを追加いたしました。
これまで、耐食性が求められる環境においては、主に窒化けい素製のセラミック軸受を提供しておりましたが、より過酷な環境に広く適応できるよう、より耐食性に優れたジルコニア、炭化けい素をラインアップに加えました。
これにより、半導体、高機能フィルムおよび食品製造分野などの設備の長寿命化やメンテナンスコスト低減など、お客様の困りごとに幅広く対応し、生産性向上に貢献してまいります。
※EXSEV(エクゼブ)は当社の登録商標です。
▲製品の一例:高耐食セラミック軸受
1.耐食性に着目したラインアップ拡充
今回、様々な特殊環境がある中でも、特に腐食性の高い薬液中などでの使用を想定した高耐食のセラミック軸受シリーズとして、従来の材料である窒化けい素に加え、①アルカリ環境に強いジルコニア、②酸環境に強い炭化けい素を選択肢に加えることで、より耐食性に優れたラインアップとしました。
これにより、これまでよりも幅広い腐食環境に適応することが可能となり、半導体、高機能フィルムおよび食品製造分野などの設備の長寿命化やメンテナンスコスト低減など、お客様の困りごとに幅広く対応し、生産性向上に貢献してまいります。
<各材料の特長>
軸受鋼(SUJ2):一般的な軸受の材料。耐食性に乏しい
ステンレス鋼(SUS440C):軸受鋼よりも耐食性に優れる
窒化けい素(Si3N4):軸受用セラミックスのスタンダードで、SUS440Cよりアルカリ環境での耐食性と耐荷重性に優れる
ジルコニア(ZrO2) :特にアルカリ環境での耐食性に優れる
炭化けい素(SiC):特に酸環境での耐食性に優れる
2.ジェイテクトのセラミック軸受シリーズの概要
セラミック軸受がまだなかった時代、海洋設備の建造や、医薬品の研究、食品の製造など、液中作業を必要とする多くの業界は、ステンレス製軸受を内蔵した装置を水中で使用していました。
しかし、軸受用のステンレス鋼はころがり寿命を重視するために硬度を上げる背反として耐食性が十分ではなく、使用にあたっては、高頻度のメンテナンスと取り替えコストが発生します。強度が高く、さび付かない耐食用軸受の商品化は、特定の業界だけでなく幅広い業界で誕生が待たれていました。
そこで、ジェイテクトは、転動体にエンジニアリングセラミックスを採用することを着想し、試行錯誤を繰り返したのち、高強度・耐食性・高温その他さまざまな特性を持つセラミック軸受を世界で初めて完成させました。
そして、水中用途だけでなく、強度や高速性能の高さ、油を使わない、ゴミが少ないなどの特性から、工作機械の主軸や半導体製造装置に採用されるなど、幅広い分野でその性能が評価され、現在に至っております。
3.製品仕様
【販売目標】 2020年売上 10億円
【販売先】 半導体、高機能フィルムおよび食品製造装置メーカー 等
4.製造工場
徳島工場、国分工場