富士電機は、太陽光発電設備のコストを削減する、蓄電池併設型マルチPCS(パワーコンディショナ)を発売した。
再生可能エネルギーのさらなる普及が期待されるなか、導入が拡大すると、発電量の変動を抑制し、電力の需給バランスを保つ重要性が高くなってくる。そうした解決策に、昼夜・日照量などで変動しやすい電力需給バランスを調整する蓄電池の活用がある。
従来の蓄電池を併設した太陽光発電設備は、太陽光パネルと蓄電池のそれぞれに電力変換を行うPCSが必要だが、新製品は、PCSを構成するインバータ回路やコントローラーを集約することで、2種類のPCSが持つ機能を1台に集約。PCSとそれに付随する変圧器の設置台数や設置工数を減らし、同社の従来設備に比べて約20%の低コスト化を実現する。
さらに、太陽電池が発電する電力を交流に変換せずに蓄電池に充電できるため、電力損失が従来に比べて4~5%低減する。
また、同社は一定期間の発電量変化の割合(発電量変化率)は世界最高水準(1分間で1%以内)の制御モデルを有しており、新製品にはこの高精度な制御モデルをオプションで適用可能となっている。