急拡大、10年で3倍超
国際ロボット連盟(IFR)は、2017年の産業用ロボットの世界販売台数を発表した。17年は、16年の29万6000台から31%の増加となる38万7000台が販売され、過去最高となった。産業用ロボットの世界販売台数は、07年に11万4000台だったものが、ここ10年で3倍超まで急拡大している。
世界販売の3分の1は中国 ベトナム急成長
地域別で最も販売台数が多かったのがアジア・オーストラリア。前年の37%増となる26万2000台だった。ヨーロッパが同20%増の6万7000台、アメリカは20%増の5万台。いずれの地域も20%を超える急成長を遂げている。
最も多く販売された国は中国。世界販売台数の約3分の1を占める13万8000台で、前年の1.5倍超の伸びとなった。2位は日本。18%増の4万6000台。3位は、主要国で唯一前年から減少となった韓国で4万台(マイナス4%)。さらにアメリカの3万3000台(6%増)、ドイツの2万2000台(8%増)と続いた。
5位以下は台湾の1万1000台(44%増)、ベトナムの8000台(410%増)、イタリアの8000台(19%増)、メキシコの6000台(7%増)、フランスの5000台(16%増)となっている。注目すべきは、前年の4倍超の実績があがったベトナム。急成長する市場で、生産拠点として存在感を増している。
自動車と電気、金属製造業が市場をリード
業種別では、自動車向けが前年の21%増となる12万5000台でトップ。電気業界向けが11万6000台(27%増)で続く。金属産業は前年の54%増の4万4000台と拡大。これら自動車・電気・金属が市場をリードしている。樹脂・ゴム産業は2万1000台(9%増)、食品は1万台(19%増)となった。
拡大基調について、ロボット活用が簡単になったことと、デジタル化が進んだことが主な理由。ロボットのプログラミングが容易になり、グローバル企業はもちろん、中小企業でもロボット活用が不可欠になっている。
さらに、工場の運用改善にビッグデータが貢献しており、CPSの進展、ビジョンやセンシング機器と分析プラットフォームとの連携、マシンラーニングやAIなどの技術が産業用ロボットの普及を後押ししている。