横河電機は、石油やガスのパイプラインのつまりを防止するための薬剤注入を最適化するオンデマンドハイドレートリスク管理ソリューションを開発、提供を開始した。
ハイドレートは、石油・ガスパイプラインの流路を阻害する重大な要因であり、深刻な生産レベルの低下や設備の損傷、安全性の低下などの恐れがある。これらを防ぐために一般的には薬剤を流路に注入し、未然にハイドレード形成を抑えているが、パイプラインの状態をリアルタイムで確認できないため、薬剤を過剰に投与する傾向があり、操業上の大きな費用負担となっている。
このため同社は、効率的で最適化されたハイドレートリスク管理ができるよう、子会社であるKBC Advanced Technologiesが持つ2種類の高度シミュレーションソフトウエア「Maximus」および「Multiflash」と、横河電機の大規模広域分散形アプリケーション向けのSCADAソフトウエアパッケージ「FAST/TOOLS」との共通ダッシュボードを開発。
海底の石油井戸元、パイプライン、海上プラットフォーム上に据え付けられた温度や圧力センサーの各種データを集め、連続的、または要求時にシミュレーションソフトウエアに送り、ハイドレートリスクのレベルと場所、ハイドレート生成曲線、KPIをダッシュボードに表示する。薬剤注入の推奨量を計算・表示することで、リスクと費用のバランスが取れた運用を指示することが可能となる。
また、同社子会社のYokogawa TechInvent社の高精度ケミカルインジェクションメータリングバルブ「FluidCom(フルイドコム)」を利用すると、薬剤注入の自動化も可能。一貫したハイドレートリスク管理ができる。