豊電子工業(愛知県刈谷市)は、オーストリアのメルテック社が開発したアルミニウムを吸い上げて鋳造品製造用に給湯する「AVDシステム」を、ロボットシステムと組み合わせて販売を開始した。
従来、溶解したアルミニウムを給湯するには取り鍋(ラドル)や圧送による給湯方式が行われていたが、給湯量にバラツキがあったり、酸化被膜が混入したりして、鋳造品の機械的特性、品質に影響を与えることが多かった。
AVDシステムは、溶湯格納コンテナ、コンテナ閉センサ、コンテナ開センサ、コンテナ開閉シリンダー、重量測定ユニットなどで構成され、これらをブラケットでロボットに取り付けて使用する。
コンテナ部をアルミの中にポジショニングし、充填、搬送した後、給湯する。正確な溶湯量測定により、高い給湯精度を誇り、表面階層以下から吸い上げるため、表面の酸化被膜の混入が防げる。
また、密閉されたセラミック容器のコンテナで空気に触れずに搬送するため、溶湯の酸化が防止でき、従来方式と比べて温度ロスも少ない。
これらの特徴により、製品品質が向上やランニングコストが低減できる。最大搬送溶湯重量が1、3、5、10、20、25キログラムの各タイプが完備。