富士キメラ総研は、デジタル変革をけん引するデジタルトランスフォーメーションに関連する設備投資状況等を調査した「2018デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」をまとめた。デジタルトランスフォーメーションの投資金額は2030年度には2兆3687億円となり、スマートファクトリーを中心とする製造向けと、FinTechが伸びる金融向けがリードするとしている。
製造はスマートファクトリーやサービス化への投資が中心となり、30年度には7000億円近くになると予測。16年度にIoTをベースとする生産現場でのデータ収集と見える化でのPoC(概念実証)が急速に拡大し、17年度には本格導入への移行が進んだ。
特にサービス化では自社製品のメンテナンス業務の効率化が中心で、導入効果のわかりやすさや監視対象が装置単体であることが多いことから導入が増加した。
金融ではAIやRPIによる業務効率化や省人化が拡大。音声認識やチャットボット等を使った次世代コンタクトセンターへの投資が先行しているとした。
また注目技術基盤としてIoTを挙げ、その市場規模は17年度220億円だったものが30年度には10倍となる2200億円になると見込む。IoT進展に伴ってセキュリティ対策の導入が進み、併せて製品やサービスが増加したことによりユーザーの選択肢が増えて市場拡大を後押しするとしている。