「アウトメカニカフランクフルト2018」報告、整備工場の効率化デジタル提案

ボッシュ、データ一元化で遠隔支援
ポルシェ、簡単に自動充電・車両診断

9月にドイツ・フランクフルトで行われた世界最大の自動車アフターマーケットの国際見本市「アウトメカニカフランクフルト2018」。

自動車業界は電気自動車や自動運転の話題でにぎやかだが、実際いま走行中の車やこれから販売されて走る車の整備や修理、メンテナンスをどうしていくかは現在進行中の課題であり、同展ではさまざまなアプローチからそれに対する解決策が示された。

そこで今回は、デジタル技術を使ってディーラーや整備工場の効率化の取り組みを紹介する。

 

自動車整備工場にとっては毎日ピットが整備または修理の予約で埋まっていて、常に稼働している状態が望ましい。しかしながら、予約の状況、車種や状態の違いによる作業工数のバラツキなど、それを平準化することは難しい。また既存顧客に加え、新規客や突発的なトラブルによる駆け込みなどもあり、管理は煩雑になりがち。

それに対し、顧客管理の仕組みや作業スケジューリングと作業内容、その見える化に加え、車ごとのピット作業の分析データを蓄積して活用するなど自動車整備工場でのデータ活用ソリューションの展示がいくつか見られた。

例えばボッシュはディーラーや整備工場向けソリューション「Bosch Connected Repair」を出品。顧客と車両データ、メンテナンス作業や試験データといった自動車にまつわるデータをすべて一元管理し、つなげて活用できるソリューション。コネクテッドとそのデータ活用によって遠隔支援によるサポート効率化と予知保全、メンテナンス計画の管理、作業の迅速化などを提案していた。

 

また自動車整備は技術者の経験と腕がものをいう世界。車種が多く、日々技術が進化するなかで、それに対する技術力の向上やトレーニングも課題となる。そうしたトレーニングにはARやMRが有効であり、ボッシュをはじめ、いくつかのブースでデジタル技術を活用したトレーニングも提案されていた。

塗装は特に熟練技術が必要とされるが、塗装ガンとVRゴーグルを装着して3Dバーチャル空間で塗装トレーニングするものもあった。

また今回が初出展となったポルシェ。近未来のポルシェの整備工場を模したブースを設け、ロボットが電気自動車に自動充電するデモと、車両のデータを管理して効率的に車両診断ができるデモを行っていた。

 

またアウトメカニカではトラックなど商用車向けの製品やサービスが多く展示されていた。商用車は1台の走行距離が多く、計画的な整備メンテナンスが必要となる。さらに複数台保有している場合は運行管理も複雑になる。会場ではそれに対してデジタル技術で解決しようという動きも見られ、関連ソリューションが多く出品されていた。

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