ECADソリューションズ(さいたま市中央区)は、制御盤・配電盤・受電盤などの設計・製造工程の効率化に貢献するデータベース型電気設計CAD「ECAD DCXシリーズ」で、11月からクラウドでの部品ライブラリの提供を開始した。
クラウド環境を利用することにより、高圧・低圧・制御など、その盤に必要な最新の部品データだけ利用することができる。
製造工程への展開も容易
一般に盤設計では、顧客から使用部品を指定されることも多い。クラウド上には各部品メーカーの最新情報が利用できるようになっており、図面作成中に容易に探すことができる。部品価格の改定なども常に反映された設計が可能になってくる。
「ECAD DCXシリーズ」では、現在20社30万点の最新部品情報が利用可能になっているが、今後利用できる部品メーカー数を増やし、2020年には50社100万点を提供できるようにしていく計画。部品の利用頻度も把握できるようになっており、部品情報を提供する部品メーカー各社にとってもメリットが多い。
また、盤設計では生産管理システムや製造工程と連携して業務の効率化を進めたいというニーズも高い。
「ECAD DCXシリーズ」は、設計段階で部品情報を活用することで、板金や配線測長などの製造工程と連携することができる。
部品ライブラリで提供している部品情報の中には、端子の位置情報、入線方向、板金の穴情報など、生産工程で必要となる情報を提供しており、ユーザー側では盤製造と連携するための環境を構築する工数を大幅に軽減することができる。
さらに、設計技術者のスキルをアップし、設計効率を高めるためには、CADシステムの設計担当者にいち早く慣れてもらうことが重要になってくる。
「ECAD DCXシリーズ」の利用にあたっては、設計担当者が利用できる作図ガイド集の提供も開始する。「分電盤」「配電盤」「受電盤」「制御盤」の4つの図面をサンプルとして提供し、作図ガイド集を見ればポイントがわかるようにすることで、設計技術習得の工数が削減できる。
同社では、トレーニングコースもリニューアルした。「開閉制御」「自動制御」「管理者」「運用」の4つのコースを設けており、19年度までは無料で受講できるキャンペーンも準備している。
実際の設計に近い内容でトレーニングを受講することで、いち早く実務で利用できるようになる。基本操作を習得する手段として、e-ラーニングの利用も可能となっている。