ユニバーサルレーザーシステムズ 米国発の最新レーザー加工機「ULTRA9」新発売

フィルムや布地などの薄物の新素材加工に最適

新素材を使った軽量化が進む自動車や飛行機、エレクトロニクス産業の高性能化や高密度実装は新材料が大きく貢献している。新材料が活躍する裏には加工技術の進化もあり、現在ではレーザー技術がそれらの実現に一役買っている。

ユニバーサルレーザーシステムズ(横浜市西区)は、メーカーや大学、研究機関の研究開発部門で広く採用されている小型レーザー加工機の専業メーカー。このたび、さらに機能を改善し、小型化したULTRA9を開発・発売した。

 

世界100カ国で稼働

同社は1988年にアメリカで創業したレーザー加工機専業メーカー。CO2とファイバレーザー技術を持ち、レーザー出力の範囲は10Wから500Wと小型に特化。樹脂やフィルム、木材、テキスタイル、複合材など軽くて薄いものを得意とする。

自動車や飛行機、エレクトロニクス、軍需といったハイテク産業の研究・開発部門を中心に、半導体のインテル、接着剤のヘンケルなど世界的な大手企業、特に新素材や複合素材の開発分野で高く評価されている。

世界100カ国で3万5000台以上が稼働し、日本でも大手自動車メーカーや大学・研究機関などで使われている。

 

開発者を喜ばせるユニークな機能

小型で低出力、比較的手頃な価格帯の領域を得意とし、そこには研究開発者を喜ばせるユニークな技術が詰め込まれている。

1つ目が、波長の異なる3種類のレーザー光を1つに収束して照射できるオリジナル技術の「マルチウェーブハイブリッド」。従来は1つのレーザーごとにそれぞれ加工が必要だったが、この機能により加工がたった1回で済むようになった。

2つ目が「カートリッジ式レーザー発振器」。レーザー発振器は数年に一度交換が必要な消耗品で、その取り外しと設置が意外と面倒。通常は何本かのねじを緩めて取り外し、新しいものに交換したら必ず光軸合わせをしなければならない。同社の製品はカートリッジ式で、コピー機のトナーを交換するように所定の位置にはめ込むだけ。その時点で光軸合わせも完了しており、時間もかからず、誰でも交換ができるようになっている。

3つ目が「インテリジェントマテリアルデータベース」と呼ぶ材料と設定値のデータベース。世界数百社超の素材メーカーの材料と加工の設定値がデータベース化されていて、一発で理想に近い設定値を呼び出すことができる。従来のように経験から始めの設定値を決め、テスト加工を繰り返して調整していくというムダをしなくて済むようになる。データベースは毎月更新。航空機向け、バッテリ向け、自動車向けといったアプリケーションに合わせた設計条件もそろっている。

 

日本の新素材の用途開発を支援

「ULTRA9」は、上位機種のXLSシリーズで搭載していた各機能を、コンパクトな中に収めた新製品。加工エリアは914×610mmで、位置決め精度は2μm、繰り返し精度は25μm。最大材料厚さは305mmまで対応している。

CO2レーザー2つとファイバレーザー1つの最大3つの光源を持ち、マルチウェーブハイブリッドに対応。9.3μm、10.6μm、1.06μmの波長を1つにまとめてビームを出すことができ、それぞれに独立制御、リアルタイム変換も可能となっている。

ヘッドにはレーザー光源と一緒にオートフォーカス・タッチセンサを搭載。材接触式プローブがワークの凹凸を検知し、それに応じて正確なレーザー照射を実現。高さ設定がいらず、材料の損傷や破損のない加工が可能。

 

また、21インチの大型タッチパネルコントローラを搭載。PCをつながずにスタンドアロンで操作を実行。

加工パターンとプログラムは、統合プラットフォーム「ULTRA Laser System Manager」で簡単に設計ファイルの作成と加工設定プログラムができる。Windows、MacOS、Linux、Androidの各OSに対応し、どんな種類の端末でも情報入力とコントロールが可能となっている。

米国本社のマイク・フラナリー副社長は日本市場とULTRA9の投入について「ハイテク産業は既存の加工技術だけでは未来に対応できず、そこをレーザー加工が補うようになっている。日本は加工に対する精度要求が高く、新素材の加工を必要とする先進的な市場だ。20万種類以上の素材を持ち、常に加工実験を繰り返している。ULTRA9は約800万円で、特に自動車とエレクトロニクス、大学研究機関を対象とし、いろんな産業分野の材料で加工ソリューションを提供していきたい」と話している。

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