三笠製作所(愛知県犬山市)は、Hakobot(宮崎県宮崎市)と共同で、物流業界の人手不足に対応する「ADR(自動運転配送ロボット)」を開発した。2019年3月頃から実用化に向けての実証実験を開始する予定。
ネット通販などが浸透する中で、従来の物流システムでは、運送業界の人手不足や勤務超過などさまざまな問題が起きている。
こうした課題に対応するため、18年5月に設立されたHakobotと配電盤製作などの技術力を持つ三笠製作所は、ADRを開発した。
ADRは、自動搬送を可能にする配送ロボット。自動運転の動作方法は、端末に搭載されたGPS情報と固定基地局により、自己位置を推定し、設定したルートで自動搬送を行うというもの。
配送中の障害物は、レーザ光を照射し、その反射光を検出器で測定する「Lidar」で検知、回避しながら走行する。走行速度は時速4キロメートル。
宅配便の配送のほか、集荷センターでの搬送、工場での部品搬送、イベントでの活用などが考えられている。
また、カメラやセンサを追加することで、通学児童に寄り添い防犯のために一緒に登下校を行ったり、過疎地域で応急処置キットやAEDを届けたりする用途も検討。
現在、宮崎市と実証実験について協議中で、19年3月頃から市街地や海岸地帯での実験を行う予定。