日本電気計測器工業会 会長 堀場 厚
新年あけましておめでとうございます。2019年を迎えて一言ご挨拶申し上げます。
昨今の世界情勢は、不透明感が拭えない状況が続いていると感じられます。米国と中国の貿易摩擦はAPECの場でも表面化し、英国のEU離脱も最終段階に来てなお不確定要素を解消できません。
日本電気計測器工業会(JEMIMA)は産業のマザーツールと言われる計測・制御機器を製造販売する企業の団体ですが、17年度の販売実績は8018億円と前年を4.8%上回る結果となり、18年度も好調に推移しています。しかし、IoT、AI、Industrie4.0等の技術革新の方向性はこれから本格的に決まっていく段階にあり、先行きの予測は非常に難解で予断を許さないものとなっています。
このような時代にあってJEMIMAは大きく変わりました。4つの部会の下に再編成された各委員会は、事業の柔軟な横展開を実現し、激変の時代に際して時宜を得た、ダイナミックな事業推進を可能にしています。
また、昨年開催された計測展OSAKAでは、JEMIMAの独自性を打ち出しつつ出展規模を拡大して、活発な情報発信ができる展示会として活性化することができました。
加えて、一新されたJEMIMAの情報インフラを活用して事務局業務を効率化し、内外に対する情報発信を効果的に行えるようになったことも大きな変革と言えます。
基幹産業である自動車分野では自動運転やxEVなどの新技術が求められるだけではなく、MaaSなど、事業構造そのものの変革を促すような動きも見られ、他の多くの業界でも、技術とビジネスの両面において、従来では考えられなかった新しい課題が出現しています。
このように「潮目が変わった」と感じられる世界においては一企業のみで戦うのではなく、企業、業種の枠を超えた連携、すなわちそれぞれの強みを活かした「ドリームチーム」の形成が求められるのではないでしょうか。JEMIMAはそのような動きをリードできる業界団体に脱皮しようと考えている次第です。
各会員企業が様々な困難を克服して視野を世界に広げ、新技術と新製品の開発に邁進するための支援に徹し、ひいてはわが国の産業と科学技術の発展に貢献してまいる所存です。
本年もJEMIMAに対する関係各位の温かいご支援とご理解をお願いして、年頭の挨拶とさせていただきます。