【各社トップが語る2019】東芝インフラシステムズ、ニッチトップを目指す

産業システム統括部 計装機器事業統括 岡庭 文彦

「技術の東芝」の存在意義は、新しいものをつくり出すことにある。当社は、汎用品では満足しない、それでは課題に対処できないという層に向けて高い技術の製品を提供している。「得意分野の技術を使い、特異な製品を、お得意様に提供する」ことで、それぞれの製品でニッチトップを狙っている。

2019年は半導体や放送機器は需要のブレが少ない見込みで、高炉メーカーも投資を増やしている。盤関連も順調で、全体的には堅調に進むと見ている。

産業用コンピュータは、18年5月に「FR2100T モデル700」を発売した。外見はラックマウント型の2Uサーバだが、中身は産業用コンピュータというユニークな製品だ。「ユニファイドコントローラnv-packシリーズtypeFR」は、産業用コントローラと産業用コンピュータを一体化して自動制御と情報処理を融合し、フィールド機器からの情報でエッジコンピューティングを実現する。エッジで処理できることはエッジで済ます。CPS(Cyber Physical System)の実現に適したものとなっている。

また、「DCS type2 light」は、最近PA業界で浸透しているPLC計装に対し、PLCでは使いにくい、大型DCSほど大規模でなくていいという層に向けた中小規模DCS。外観と価格感はPLCと同等で、隠れたヒット製品となっている。

鋼板の圧延ラインで使われる厚さ計測装置は、IoTを使った異常の予知機能を追加する予定で、ライン停止ゼロ化に貢献する。電磁流量計は、ほぼ絶縁状態の純水も測れ、またマイクロ波濃度計は、ドロドロのスラリー状液体や微小な粒が多く混じった液も正確に測れ、汚泥や下水処理場、新素材産業などニーズは多い。これまで測れなかったものが測れる性能で差別化していく。

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