取締役社長 佐々木 拓郎
今年4月に元号として4番目に長い「平成」が、30年と4カ月で幕を下ろそうとしている。「平成」という時代を振り返ってみると、日本国内では税率3%での消費税スタートやバブルの崩壊、阪神淡路大震災・東日本大震災など相次ぎ大規模災害が発生した。また、世界に目を向けると、アジア通貨危機・リーマンショックなどの海外発の危機、ユーロ導入、ベルリンの壁とソ連の崩壊で冷戦の終結など、いくつもの歴史的転換点があったように思われる。
さて、新しい元号となる2019年の景気動向については、東京オリンピック・パラリンピック需要の本格化やリニア開通に向けての再開発など国内の設備投資などが期待されるが、昨年の夏以降から米中貿易摩擦の影響が広がり始めており、製造業や輸出関連企業の経営リスクが高まると思われる。また、10月には消費税率引き上げが予定されており、一時的な駆け込み需要はあるものの、その後の景気の冷え込みが懸念される。
このような状況のなか、当社としては、大規模地震による通電火災を防ぎつつ、地震データの防災への活用を目指す取り組みとして、昨年6月から静岡県掛川市の24カ所に「高機能感震ブレーカー」を設置した「地域防災システム実証プロジェクト」を開始した。このような実証モデルを他の自治体や建物に広げていくことで、高密度な地震観測網が構築できれば、地震対策は飛躍的に向上することが期待される。
このように製品の「モノ価値」に「コト価値」をプラスすることで、IoT・AIなどの技術革新に対応する新たな価値の創造に注力し、また、耐震試験設備や風雨試験設備をはじめ日射試験設備・短絡試験設備など充実した試験設備による製品の性能評価試験を行うことで、安全・安心な、より高い品質の製品・サービスを提供して、皆さまのお役に立てるよう全力を挙げて取り組んでいく。