代表取締役社長 川村 茂
2018年は半導体スーパーサイクルなどがあり、前半は好調、後半はややブレーキが掛かる状態となったが、年間ではまずまずで、今3月期は約10%の増収増益が見込める。
19年の景気も比較的良い状態が続くものの、米中関係に懸念もあり、18年と同程度と見ている。
このような中当社は、CKDと事業統合して1年半が経過し、開発、生産、販売、サービス面中心に融合が進んでいる。特にキーとなるグローバル展開において、販売面では既存商流に加えて、CKDの商流が活用出来るようになり、引合数は着実に増えている。国内はもとより、中国、韓国、台湾、更にはシンガポール、タイ、インド、そして欧州や米国からも引合いが入るようになった。
生産面では、佐倉事業所(千葉県)の生産能力アップに向けて製造方法の工夫を重ねるとともに、海外からの大口で短納期な商談に対応するため、現地生産も視野に入れている。今後の海外市場の伸び代は国内より大きいだけに、現在30%弱の輸出比率をさらに高めたい。
一方開発面では、当社とCKDの技術を融合した新製品を考えている。
当社は「τ(タウ)エンジン思想」の新たな駆動システムとしてDD(ダイレクトドライブ)を推進。DDモータやリニアモータなどがDDの代表例で、駆動伝達機構が最小限に抑えられるのが特徴。サーボモータ/アンプの性能がそのまま生かされ、高応答、高精度が実現出来る。
このような中、今後はユーザーの高度な技術的要求に応えるため、アクチュエータを組み込んだ高精度ステージや、メカと電気を融合化した顧客向専用駆動装置など、電機メーカーの枠を越えたビジネスにも注力していく。一般汎用製品によるグローバル展開と、高付加価値製品による国内展開で、二極化傾向の需要取り込みを加速させたい。