代表取締役社長 田中 裕之
第9次中期経営計画「Challenge 1500」の最終年度の2019年3月期の業績は、売り上げが昨年11~12月以降勢いが弱まり、第4四半期も同様であろう。米中貿易戦争の成り行きを見ているところが多く、車載向け部品を除けば、FA機器の需要は設備投資を先送りしている影響が出ている。
今年4月からの第10次中期経営計画の内容は現在策定を進めているところであるが、こうした最近の情勢も考慮する必要が出てくるかもしれない。今後の取り組みの柱になってくるのが、グローバルSCM(サプライチェンマネジメント)ソリューション事業とエンジニアリング事業である。グローバルSCMは、お客様の購買・輸送・倉庫代行的なサービスとして始めたが、米中間の関税回避から日系企業を中心に、生産を中国から他国に移管する動きが増えている。これに取り組む組織をさらに強化して、攻めの営業として展開していく。また、エンジニアリング事業は、商社としての付加価値を高める取り組みとして引き続き強化していく。総利益率を高め、将来は事業の一つの柱としたい。
今年1月から名古屋サービスセンターを移転し、新しい物流システムを稼働させた。物流費が上昇する中で、同類多品種品番の整理や在庫品内容の見極めなどを提案し、SCMのプロとして「物流費用の見える化」を行っている。今後お客様と仕入れ先双方の利益につながってくるものと期待している。
昨年4月に営業組織を変更し、業界・お客様・地域別の事業最適化を進めているが、さらに強化し濃いサービスを個々に提供して行けるようにする。拠点も、国内では四国、海外ではインドでの開設を検討中だ。
働き方改革では「健康経営」を基本に、全社でカバーしやすい多様な勤務体系を考えていきたい。