学校へのエアコン設置に822億円
毎年のように発生し、甚大な被害を及ぼしている自然災害について、国は被災地の復旧と次の災害の防止、被害の最小化に向けた取り組みを強化している。
防災というと公共インフラの補強工事など土木工事の印象が強いが、電気業界にもビジネスチャンスが生まれている。
非常用電源の設置促進も期待
2018年10月の第一次補正予算では「学校の熱中症対策としてのエアコン設置」に対して822億円の予算が計上された。子供たちの熱中症対策に加え、学校は災害時の避難所としても使われることからエアコン設置が決まった。
エアコンとその設置工事に加え、キュービクルの増設や改修が必要となるケースが多く、盤メーカーは自動化と東京五輪、都市再開発の需要で忙しいなか、新たな仕事が加わることでリソースの逼迫が懸念されている。
また国が進める国土強靭化について、12月に決定した「防災・減災、国土強靭化の3カ年緊急対策」では3年間で7兆円規模で対策を実施する計画となった。
昨年の北海道胆振東部地震で発生した大規模停電によって混乱と被害が生じたことを反省材料とし、警察や消防、病院、学校など公共施設のほか、幹線道路の道路照明や信号機、エネルギー施設、重要施設における非常用電源や自家発電、蓄電設備の設置を促すほか、避難行動や生活のための情報通信機能の確保として携帯電話基地局の復旧の迅速化のための体制強化や車載型基地局等の増設を進めるとしている。