オムロンは、モノづくり現場の知能化を推進する独自のIoTサービス「i-BELT」の第3弾として、「金型加工の切削最適制御サービス」の提供を2月から開始した。
金型製造における最適な加工条件の設定は難しく、生産性を上げるためにワークの送り速度を高めて工具が折損してしまい、ダウンタイムにつながる場合などがある。そのため、熟練技術者による経験と勘が不可欠となっているが、近年の人手不足や技能継承の課題があり、熟練技術者の技能を効率的に再現する仕組みが必要となっている。
金型加工の切削最適制御サービスは、2016年から同社が実証実験を重ねてサービス化したもの。熟練技能者が工作機で金属を切削する際に、設備の“音”を切削速度の判断材料にしていることに着目。振動センサーを工作機に設置し、切削時の振動で切削抵抗を算出して、その大きさによって工具の送り速度を補正するアルゴリズムを開発した。
その結果、作業者が五感で判断していた加工条件設定の最適化を自動制御でき、既存の工作機での加工時間が従来比40%短縮、工具の状況を把握し故障予知ができることによって、工具摩耗量も20%削減が可能となった。