国際電気通信基礎技術研究所(京都府相楽郡)とKDDI、デンソー、九州工業大学は、KDDI総合研究所とデンソー九州の協力のもと、ファクトリーオートメーションで次世代移動通信システム5Gを活用した産業用ロボット制御の実証実験を開始した。
産業用ロボットを導入する工場では、製造工程の変更を行う際、ロボットの配置換えに加え、ロボットを制御する通信回線の敷設変更作業がともなう。また、配置換え後の製造ラインでロボットを再稼働させるためには、事前にロボットの動作をきめ細かく教示する調整作業が必要となる。これらの作業は、工場の稼働を長時間停止する原因となっている。
5Gを活用することで、工場内の有線回線をモバイル通信で代替可能となり、ロボットの配置換えに伴う回線敷設作業を省略することが可能となる。また配置変え後のロボットの動作調整作業を省力化するための高精度な三次元計測センサを導入した場合でも、5G経由で大量のセンサ情報の伝送が可能となり、新たな回線敷設作業が不要となる。これにより、工場内のレイアウトの柔軟性を向上させ、製造工程の変更に伴う工場の稼働停止時間を短縮することが可能になる。
実証試験では、28GHz帯の5G基地局を使った試験エリアを構築し、高精度の三次元計測センサとロボットに5G対応端末を接続した上で、計測データや制御データを5Gで送受信することで産業用ロボットの高精度な制御を行う。