経産省18年工業統計 出荷額317兆円超、回復基調はっきり

リーマンショック後最高

日本の製造業で働く人の数は763万5444人で、人手不足のなか昨年より増加。2017年に出荷された製品の金額は317兆円を超え、リーマン・ショック後の最高額を更新。経済産業省は2月28日、18年の工業統計速報を公開し、回復基調が継続していることが明らかになった。

 

調査によると、4人以上の従業員がいる事業所は18万7000カ所で、前年よりも4339カ所減少。従業者数は763万5444人で、前年よりも6万4075人増えて、15年から4年連続の増加となった。17年の製造品出荷額は317兆2473億円で、リーマンショック前の335兆円までは届かないが、年々右肩上がりで進んでいる。付加価値額は102兆9012億円となった。

従業者数・製造品出荷額の推移

 

産業別の事業所数は、最も多いのは金属製品製造業(構成比13.5%)で、食料品製造業(13.2%)、生産用機械器具製造業(9.8%)、プラスチック製品製造業(6.5%)、繊維工業(6.2%)と続く。東南アジア等へ生産拠点を移してきた繊維工業は減少数・減少率ともに高く、反対に産業用ロボットや半導体製造装置といった世界的にもシェアが高く、世界的な自動化需要を背景に堅調さが目立つ生産用機械器具製造業は事業所数の減少が抑えられている。

従業者数は、112万人の食料品製造業(14.8%)、107万人の輸送用機械器具製造業(14.1%)が100万人を超え、生産用機械器具製造業(7.9%)、金属製品製造業(7.8%)、電気機械器具製造業(6.3%)が50万人前後で従業者数が多い産業となっている。うち前年と比べて増加率が高いのが生産用機械器具製造業の2.8%で、堅調な市場背景を反映している。

製造品出荷額は、輸送用機械器具製造業(21.4%)が最も多い67兆8716億円で、以下は食料品製造業(9.1%)の28兆8239億円、化学工業(9%)の28兆6435億円、生産用機械器具製造業(6.4%)の20兆3686億円、鉄鋼業(同5.5%)の17兆5208億円と続く。これら上位5産業で全体の51.5%を占める。うち生産用機械器具製造業は前年から12.5%、電子部品・デバイス・電子回路製造業が9.3%と大きく伸長した。

付加価値額は、輸送用機械器具製造業(18%)が18兆5535億円、化学工業(11.1%)が11兆4526億円、食料品製造業(9.7%)が9兆9521億円、生産用機械器具製造業(7.4%)が7兆6352億円、電気機械器具製造業(6.0%)が6兆2015億円と続いている。

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