ルネサスエレクトロニクスは、機能安全の国際認証であるIEC61508SIL3認証取得済みの新ソリューション「RX Functional Safety」を発売した。これを使うことにより産業機器の開発において、マイコンに依存する機能安全に関するソフトウエア開発が必要なくなり、アプリケーション開発に集中でき、開発期間の短縮と1年以上の機器認証取得の期間を短くして市場投入のスピードを上げられるようになる。
機能安全システムの開発は、規格の解釈やマイコン二重化の構築など技術的に難しく、アップデート時の認証の再取得など開発負荷が高いのが課題とされる。また認証機関に対して安全の説明と証明が必要で、新規で承認を取得するまでには3・4年かかると言われている。それに対し同社は、マイコン二重化構成を前提とした相互診断機能や複数のアプリケーションソフトウエアを分離する機能を備えたソリューションで、テュフ ラインランドによるSIL3認証を取得。産業機器メーカーに向けて販売していく。
ソリューションは、マイコン内のCPUとROM、RAMの永久故障自己診断ソフトウエアと、マイコン自身の診断処理とスケジューラ処理を持った機能安全プラットフォーム、マイコン二重化構成の評価ボード、入出力回路診断や電源監視など開発に必要な技術ドキュメント集で構成され、いずれも個別に販売する。
インダストリアルソリューション事業本部IAソリューション事業部産業システムソリューション部の毛利裕二部長は「自動車ではじまった機能安全が産業機器でもニーズが高まり、欧州向けには必須となっている。いずれ日本でも厳しくなってくるだろう。協働ロボットやモーション・ドライブ機器、ネットワーク機器などフィールドコンポーネンツ全般の開発に貢献できる」としている。