FAプロダクツ(東京都港区)と電通国際情報サービス(ISID)はこのほど資本・業務提携を行い、スマートファクトリー事業を共同で進めていくことになった。
資本提携では、FAプロダクツが実施する第三者割当増資をISIDが引き受け、同社株式の20%を取得した。これによりFAプロダクツはISIDの持分法適用関連会社となり、ISIDから役員2人と社員数人をFAプロダクツに派遣する。
ISIDは、FAプロダクツが2018年に開設した「スマートファクトリーラボ」などへの参画などを通じて、両社の知見を組み合わせたソリューションの検討と実証を進めてきた。
今回の提携では、製造業向けにISIDが持つ構想設計領域におけるモデルベース・システムズエンジニアリング(MBSE)の知見と、FAプロダクツが有する製造領域における設備・オペレーションの知見を融合し、デジタルツインを活用した革新的な生産ラインの構築を支援するパッケージソリューションの共同開発・提供に取り組む。
ISIDの名和亮一社長は「コンピュータ上のシミュレーションとリアルなものづくりの間には大きな隔たりがある。これを埋めるマルチでオープンに提供できる取り組みは、日本で初めてである」と強調。
また、FAプロダクツの天野眞也会長も「部分最適になりがちな生産ラインを、両社の知見を持ち合わせることで全体最適につながる次世代のラインビルダーを目指す」と語っている。
両社は製造工場のスマートファクトリー化を促進する各種パッケージソリューションを順次投入。23年度には両社あわせて150億円規模の事業へと拡大させる計画だ。