5G見据え新クラウドを模索
リョーワR-Vision事業部(北九州市小倉北区)は、自社開発エンジンに加え、コグネックス、Halconといった主要な画像処理エンジンを使い、ユーザーの要望やアプリケーションに合わせた外観検査システムをカスタムメイドで提供している。画像処理エンジンには各社の得手不得手があるが、同社は案件によって最適なエンジンを開発することで解決し、好評だ。
近年は画像処理へのAI活用に力を入れ、AI搭載型画像検査システム「R-Vision AI」を開発。良品サンプルを機械学習し、それと違う部分を不良品として抽出する。人の目に近いシステムとして、これまで画像処理では苦手としてきた果物の分別やヘアラインの入った金属部品の不良検出も可能となっている。
今後、画像処理におけるAI活用の広がりが期待されるなか、中小企業でも使える簡単で低価格なインフラが必要と言われる。それに対し同社は現在、中小企業向けAIサービスを開発中。クラウドに自社開発の画像処理エンジンとAIを置いたプラットフォームを提供し、ユーザーはそこにデータを上げるだけでAIの画像処理機能を使うことができる。ターゲットは自動車部品などの外観検査で、月産数万個単位のものを想定。サービス開始は今夏の計画で、価格は月額1万円の定額制を予定している。
津田貴史事業部長は「5Gを見据え、クラウドでさまざまなサービスを考えている。検査や認証、監視など画像処理でできることは多い。まずは外観検査でスタートし、1万社の契約を目指したい」と話している。