製造現場に「革命」
3Dプリンタ展初開催
中部地域最大級のものづくり専門展「名古屋ものづくりワールド2019」(主催:リード エグジビション ジャパン)が、4月17日(水)~19日(金)の3日間、ポートメッセなごやの第1~3展示館で開催される。
今回は新規開催の「第1回[名古屋]次世代3Dプリンタ展」を加え、5展で構成。前回比110社増の1150社が出展し、4万人の来場者数が見込まれている。
開場時間は10時~18時(最終日は17時まで)。入場料は5000円(Webでの事前申し込み、招待券持参者は無料)。※写真は前回の会場の様子
ものづくりの集積地・名古屋で開催される「名古屋ものづくりワールド」は、製造業の「短期開発、生産性向上、品質向上、VA/VE、コストダウン」に寄与することを目的に開催されており、主に中部地域の製造業ユーザーが多数来場し、出展社と活発な商談が行われている。
構成展は、「第4回[名古屋]設計・製造ソリューション展」「第4回[名古屋]機械要素技術展」「第3回[名古屋]工場設備・備品展」「第3回[名古屋]航空・宇宙機器 開発展」と、今回「第1回[名古屋]次世代3Dプリンタ展」が新たに加わり、テーマごとの5展で構成。
製造業向けIT、3Dプリンタ、機械部品、加工技術、航空機部品などを扱う企業1150社が集結する。ものづくりに関するあらゆる企業が一堂に会するので、効率的に「新製品・新技術の比較検討」「図面・ワークを持参しての技術相談」「見積り・導入時期の打合せ」などを行うことができる。
第4回[名古屋] 設計・製造ソリューション展
「第4回[名古屋]設計・製造ソリューション展(DMS名古屋)」(第1展示館)は、CAD、CAE、ERP、生産管理システムなど製造業向けITソリューションが集合する専門展で、約170社が出展。
ERP、生産管理システム、スケジューラなどは、主要ベンダーが勢ぞろい。多言語、多通貨、マルチサイト対応のグローバルERPパッケージや、生産・販売・原価・経営管理からグローバルSCMまで、幅広く活用できる生産管理システム、受注から購買までを一気にスケジューリングし生産性の向上を図る生産スケジューラなど、業務の標準化や効率化ができるソリューションを一度に比較できる機会。
また、トレンドになりつつあるAIを活用した品質検査、需要予測、電子図面の自動仕分けや管理、手軽に始められるIoT製品やグローバル企業向けのIoTソリューション、3次元、2次元、電気CAD、PDM/PLMなどが紹介される。
第4回[名古屋] 機械要素技術展
「第4回[名古屋]機械要素技術展(M-Tech名古屋)」は、軸受、ベアリング、ねじ、ばねなどの機械要素や、金属、樹脂に関する加工技術を一堂に集めた専門技術展。出展内容ごとに第1~3展示館に分かれて展示される。
A会場(第3展示館)は、切削加工、プレス・板金加工、鋳造・鍛造、めっき、コーティング、熱処理、ボルト、ナットなど、約330社が出展。B会場(第1)は、ベアリング、ボールねじ、油空圧機器、配管部品、モータ、アクチュエータ、減速機など、約160社が出展。C会場(第2)では、計測器、センサ、スイッチ、バリ取り技術、洗浄機、位置決め技術など、約180社が出展する。
同展は「世界初」「業界初」といった技術や製品が多く出展しており、極薄板0.2ミリメートル対応のマイクロクリンチングスペーサーや、繰返し精度プラスマイナス0.5μm、治具とワークの密着確認ができるエアマイクロセンサ、先端径Φ0.95の工業用内視鏡、コンプレッサの新分野を切り開くオイルフリースクロールコンプレッサなどが披露される。
また、ねじ・ばねの専門メーカーの出展や、省人化・無人化・自動化に貢献するティーチレスバラ積みピッキングやはんだ付けロボットなども紹介。
第3回[名古屋] 工場設備・備品展
「第3回[名古屋]工場設備・備品展(FacTex名古屋)」(第2展示館)は、工場向けの省エネ製品、物流機器、環境機器、メンテナンス製品、安全用品など、約140社が出展。
高天井用LED照明、スポットエアコン、遮熱塗料、空調服などの「省エネ・節エネゾーン」、設備の移動転倒防止対策、防護バリアシステムなどの「安全・防災ゾーン」、稼働状況を可視化する発電センサキャスター、MDRモジュールで構成された仕分けコンベヤ、軽量・自由設計で低価格パレットなどの「物流・マテハンゾーン」、集塵機、水溶性廃液処理装置、高圧洗浄機などの「工場設備・備品ゾーン」、コンクリート・塗床研磨再生施工や防錆フィルム、錆取り剤などの「メンテナンスゾーン」と5つのゾーンに分かれ、工場ユーザーに必要なさまざまな設備や備品、アイデア製品がそろう。
第3回[名古屋] 航空・宇宙機器 開発展
「第3回[名古屋]航空・宇宙機器 開発展(AeroTech名古屋)」(第3展示館)は、航空機、宇宙機器の開発・製造技術や、部品、デバイス、材料・素材、計測機、ITソリューションなどを扱う約110社が出展。
ものづくり集積地である中部地域には、航空機や衛星、ロケット向けの高度な部品、素材など、日本の航空機体部品生産の7割が集まっているとされ、同展にはその先端技術や最新部品が一堂に会している。
高精度な航空機用材料、新開発のチタン耐摩耗処理や個体潤滑処理、自動リベッター、高信頼性コネクタなどが出品される。
第1回[名古屋] 次世代3Dプリンタ展
試作から最終製品の造形や量産に向けた動きが活発化している3Dプリンタ。世界市場では右肩上がりの成長を続けており、従来は加工が困難とされていた形状・造形を実現した金属3Dプリンタは特に注目が集まっている。
名古屋初開催となる「第1回[名古屋]次世代3Dプリンタ展」(第1展示館)は、3Dプリンタ、アディティブマニュファクチャリング、3Dプリント材料、受託サービスなど、約60社が出展。
見どころは、「製造」で使える3Dプリンタ。海外では3Dプリンタで製造した部品や金型、治具などが生産ラインで使われ始めており、同展でも試作用途ではなく、製造用途で活用できる3Dプリンタが多く登場する。
大規模生産のための製造向けFDM方式3Dプリンタ、レーザ溶融方式の金属3Dプリンタ、導入コストを削減できる小型の金属3Dプリンタ、カーボンを金属並みの強度にして造形できる産業用3Dプリンタなどが出展する。
セミナーは3日間全17セッション
リーディングカンパニー続々登壇
期間中は3日間で全17セッションのセミナーも開催。
17日の基調講演では、トヨタ自動車による「未来のモビリティ社会に向けた自動運転技術開発」を実施。トヨタの自動運転技術開発への取り組みや、技術の実用化に向けた課題、社会へのインパクトについてを紹介する。
特別講演は、17日に関西大学やジーベックテクノロジーによるバリ取り技術について、経済産業省や川崎重工業による航空機業界の現状と展望などを実施。18日は、三菱電機やオムロンによるIoT・AI活用で進む「ものづくり改革」、ヤマハ発動機やダイキン工業によるIT部門が進めるデジタル改革、キヤノンによるデザイン開発における最新3D活用を予定。19日は、オークマやマツダによる効率的な生産体制の構築法などが実施される。全セミナー、事前申し込み制。
このほか、出展者による製品・技術PRセミナーも予定されている。