PFUは、組み込みコンピュータ向け仮想化ソフトウエアを開発し、同社の産業用コンピュータに組み込む形で販売を開始している。
仮想化によって複数台の産業用コンピュータとその機能を1台に統合して制御やIoTシステムなどエッジコンピューティングを柔軟に構築できるようになり、加えて装置のシンプル化や小型化、省配線化、保守運用の手間とコストの削減などにも役立つとしている。
仮想化とは、1つのコンピュータで仮想的に複数のOSを動かし、数台のコンピュータのように振る舞わせる技術。1つのCPUを複数台で共有し、あるOSの負荷が高くなると他のOSからCPU能力を振り分けて処理能力を上げる仕組みで動いている。
ITやサーバー分野ではリソースの効率的な利用のために広く使われてきたが、産業用途では、稼働が不安定になるリスクがあり、採用が広がってこなかった。それに対し同社は、コンピュータに組み込んで使う仮想化ソフトウエアを開発。CPU上にあるコアに対して制御する機器・OSを専用で割り当てることによって処理性能の安定性と信頼性の問題を解決。1機器・OSあたりのCPU処理周波数を担保して安定した稼働を実現している。
産業用コンピュータ1台に対してWindows10、Windows7、Linuxなど4つのOSを搭載できる。またデータ保護のためにRAID機能も付いており、仮想化とRAID搭載の産業用コンピュータは日本初。工作機械や半導体製造装置、医療機器、インフラ系など、複数台の産業用コンピュータを搭載しているような機械や装置内部の効率化に最適。Windows7で動いているコンピュータを最新のスペックにリプレースして延命させたいという場合にも適している。
またOSに限定されず、IoTやAI、見える化などのソフトウエアを自由に組み合わせることが可能。柔軟にエッジコンピューティングシステムを構築できるようになる。