ヤマハ発動機は、AI向け半導体として一般的に使われるGPUを製造し、かつ自らもAIを使ったサービスを提供する総合AIサービス会社ディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)と業務資本提携を締結した。
ヤマハ発動機が展開するバイクやボート、産業用ドローン、産業用カート、産業用ロボットや実装機に搭載するAIを共同開発し、これらの製品の自動化・自律化を進めていく。
AI向け半導体のGPUは、世界でも一部の企業しか製造しておらず、日本にあるAIサービス企業はほぼすべてがソフトウェアを汎用GPUに載せて提供している。それに対しDMPは自社でGPUを製造し、アルゴリズム、ソフトウェアやサービス開発まで一貫して行っている日本で唯一の企業。用途に応じたAIをハードウェアから作り込むことができ、その点が高く評価された。
ヤマハ発動機の藤田宏昭上席執行役員先進技術本部長は「当社の製品に使う場合、AIは小型で低価格でなければならない。その点、リーズナブルな価格で製品化できるのが魅力的だった」としている。
業務提携の内容は、AI技術応用によるアルゴリズム開発から製品搭載にいたるまでの最終製品化プロセスにおける協業、低速度領域における自動・自律運転システムの開発、ロボティクス技術を活用した農業領域等における省力化・自動化システムの開発、モビリティ製品全般に向けての先進安全運転支援システムの開発。特に低速領域の自動運転に注力して進める構えで、AIを搭載した製品は2021年には製品化したいとしている。