2018年、日本を訪れた外国人客がはじめて3000万人を突破した。08年は835万人強だったので、10年間で約3.5倍以上も増加したことになる。
政府の目標は東京オリンピック効果が期待できる20年に4000万人、30年には6000万人にしたいとしている。今年は3月までに805万人超が来日し、昨年同期を5.7%上回っている。
このまま何もなく進んでも3200万人超で過去最高を更新するが、9月にはラグビーワールドカップがあり、さらなる上積みが期待できる。
世界観光機関の17年の調査によると、海外旅行者の受入数が最も多いのがフランスで8691万人。2位がスペインの8178万人、3位がアメリカの7694万人。日本は2869万人の12位で、年々順位は上がっている。
観光収入は、トップがアメリカの2107億ドル(約23兆1665億円)とダントツトップで、2位スペインは679億ドル(約7兆4656億円)、3位フランスは606億ドル(約6兆6630億円)。日本は340億ドル(約3兆7383億円)で10位。
今年、来年と訪日する外国人観光客が増えれば収入も増える訳で、インバウンドをもっと促進して経済を活性化しようと騒ぐのも納得だ。
政府は日本の観光業をもっと振興し、大きな産業に育てようとしている。新規客を呼び込み、リピート客を掴むためには日本に来たい人に加え、日本に来る用事を多く作るのも一手だ。
世界には、日本の製造業から学びたい、ヒントを得たい、シーズがあると思っている人が多い。セールスのための市場というより、ユニークな技術が集まっている場として高く評価している。そうした人を呼び込み、そこから海外企業とのつながりができれば、海外市場への足がかりにできる。
観光業と製造業、一見関係なさそうだが、お互いに利用する価値は大いにある。