中国工場での品質管理の進め方 ~品質管理3つの歯車~②
教育の充実で管理レベル向上を
この3つの歯車という見方をしたときに、多くの工場でどこかの段階に問題を抱えていますが、日系中国工場と中国企業の工場とでは問題の段階が違います。
中国企業の工場では、第1の歯車に大きな問題を抱えていることが多いと言えます。まず工場トップの考え方や姿勢が問題となります。設備や材料の問題、そして、工場の仕組みやルールに大きな欠陥があるなど第1の歯車の段階の整備が十分でないのが中国企業の工場です。
ですから、中国企業の工場を指導する場合は、第1の歯車をちゃんと整備することから始めることになります。
一方、日系中国工場はどうかと言いますと、第1の歯車が完璧になっているということはありませんが、それなりに整備されていて致命的な欠陥はないというレベルだと思います。もちろん中には、第1の歯車が不十分な日系工場もあります。
日系中国工場の問題は、多くのところで第2の歯車が十分に機能していないことです。管理者を意識して、意図して育成している工場は日系といえども多くはありません。ですから、この部分をしっかりやることで工場のレベルが上がる余地があるのが日系工場です。
是非、現場の管理者である班長、科長に対する教育を充実させて、工場の管理レベルを上げてもらいたいと思います。
※3つの歯車のどの段階でも人の部分は必ず付いてきます。各段階それぞれで人に関する対処をしていく必要があります。工場の品質管理を進めていくうえで、人にかかわる部分が大きな割合を占めているのは間違いありません。繰り返しますがルールや仕組みを整え、立派な設備を入れてもそれらを運用し管理するのは人なので、人の部分をきちっと押さえることが重要になるのです
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◆根本隆吉
KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント。電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導および品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走。著書に「こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善〈虎の巻〉」(日刊工業新聞社)など。