国際ロボット連盟(IFR)は、2018年の英国の産業用ロボットの設置台数は2306台で3%減と発表した。ただし、17年の英国のロボット販売台数は前年比31%増、欧州連合の最近の販売台数も12%増加と依然としてプラス傾向であり、英国の後退が明確となる結果となった。
製造業における産業用ロボット導入の進展具合となる、地域別のロボット密度は、欧州が従業員1万人あたりロボット106台となり、世界で最も高い水準となっている。欧州では3位にドイツ、5位にスウェーデン、6位にデンマーク、9位にベルギー、10位にイタリアがトップ10入りしているが、英国は22位に留まり、ロボット密度は世界平均と同一台数の85台となった。
British Automation & Robotics Association(BARA)のマイク・ウィルソン会長は「英国は、自動車以外の製造部門でロボットによる自動化の導入割合が低く、企業は設備への投資よりも雇用を優先し他国の労働者を集めてきた。ブレクジットをめぐる国民投票の結果とその後の政治動向により、東ヨーロッパ出身の労働者の多くが帰国を始めているため、労働力が減少している。企業は労働力を効果的に使ったり、人員が不足している場合は、その代替案を見つけなければならず、ロボットによる自動化が解決策となるのは明白」と述べている。