立花エレテックは、経済産業省近畿経済産業局と連携し、3Dプリンターの活用推進に向けた実用化・ネットワーク拠点を本社内に5月29日開設した。開設記念として、29、30日の両日、同所で3Dプリンターセミナーを開催した。
3Dプリンターを活用した積層造形による製品・部品の量産化、新素材開発、装置開発、シミュレーションシステム技術によるものづくり革新が進んでいる。
3Dプリンターを活用することで、製品の高付加価値化、一体型造形による部品、金型、在庫レス化や、それらに伴う製造工法の一体化で生産性向上や新たなサプライチェーンの構築などが期待されている。
こうした利点がある一方で、3Dプリンターの普及が遅れている。その背景には、コストが従来製造工法に比べてさほど変わらないことなどが挙げられている。
近畿経済産業局は2019年1月、「3D積層造形によるモノづくり革新拠点化構想」の実用化拠点として、立花エレテックが事務局を務める「3Dものづくり普及促進会」と連携することを決めた。
「3Dものづくり普及促進会」は、3D装置メーカー、装置代理店、レンタル業者、サービスビューローなどの産官学で組織化し、日本初となる「3D積層造形によるモノづくり革新拠点化構想(Kansai-3D実用化プロジェクト)」を推進している。
立花エレテックの渡邊武雄社長は「3Dプリンター単体だけではなかなか売れない。3Dスキャナ、3D CADなどを一体で提案していくことに普及につながる」と語っている。