日本電気制御機器工業会(NECA)と日本規格協会が共同で原案を作成したJIS規格、JIS B 9971「機械安全に関する要員の力量」が、5月25日付で制定された。
機械安全分野における規格は、これまでは技術的側面の規定が中心だったが、今回制定された規格は人に着目しており、機械安全に関わる要員に必要な力量を示したものとなる。
機械による災害を防止するには、機械設計を行うメーカーと使用するユーザーの双方に機械安全に関する知識や技能が必要だという認識が広がっていることから、今回の規格の制定に至った。
規格の内容は、機械安全に関する教育や、その能力を評価するさまざまな取り組みに共通する知識や技能に関する要件を具体化し、標準的な指標での教育と評価を可能にするものとされ、「実施する作業に応じて機械安全に関する力量を規定」と「機械安全に関する力量の構成」が定められている。
これによって力量は、企業や団体によって業務の内容や範囲の認識が異なる職務によってではなく、現場の実態にそった必要な力量を確認することが可能となった。また、力量の構成は、実際の作業で要求される知識と技能に関連するJIS規格やISO規格を示すことにより、それぞれの力量を習得するために必要な内容が明確になっている。