中国工場での品質管理の進め方 ~品質管理3つの歯車~④
独特な要因の深掘りが必要
中国工場で品質改善を進めるときのポイント
①中国要因を加味する
ここに示した品質課題解決の手順は、みなさん見慣れたフロー図だと思います。基本的な手順は、日本でも中国でも同じです。ただ、中国で行う場合は、中国要因を加味することを忘れてはいけません。手順個々において中国独特の要因を加味しなければなりません。そしてその要因を深堀していくことが必要です。
②問題の把握
改善は自社工場の問題点を把握することが出発点となるのですが、問題点やその本質を正しくつかんでいないことが多々あります。中国人スタッフだけでなく日本人駐在員がつかんでいないのです。場合によっては問題点をつかめないのではなく、つかもうとしていないことすらあるのです。
そのようなケースでは、表面的な問題の対応だけに終始していることがほとんどです。また、データではなく感覚で捉えていることもあるので、必ずデータを捉え、中国人スタッフとはデータで話をするようにしてください。
③原因および対策
問題を認識すれば、原因を調査し対策を立案することになります。このときに日本とは違う中国独特の要因を考慮しないと問題の本質を捉えていないことになり、有効でない対策を打つことになってしまいます。前述した3M要因で見ていくことが非常に有効です。
④効果確認
対策実施後には、効果の有無を確認します。このときのポイントは、対策ごとに効果の有無がわかるようにすることです。いろいろな対策を一度に行うとどの対策が有効だったのかわかりません。効果のない対策は止めて効果のあった対策だけを実施するようにしたいものです。
⑤標準化
対策の効果が確認できたら今度は、それを標準化します。標準書や手順書に落し込むことが必要です。人が入れ替わることの多い中国では特に重要で、これをおろそかにするといつの間にか元の状態に戻ってしまうことになるのです。
日本と中国の違いを意識して取り組んでいただきたいと思います。
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◆根本隆吉
KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント。電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導および品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走。著書に「こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善〈虎の巻〉」(日刊工業新聞社)など。