基礎から学ぶ中国工場管理〜実例で学ぶ管理のポイント〜 (26)

中国工場での品質管理の進め方 ~品質管理3つの歯車~④

独特な要因の深掘りが必要

中国工場で品質改善を進めるときのポイント

①中国要因を加味する
ここに示した品質課題解決の手順は、みなさん見慣れたフロー図だと思います。基本的な手順は、日本でも中国でも同じです。ただ、中国で行う場合は、中国要因を加味することを忘れてはいけません。手順個々において中国独特の要因を加味しなければなりません。そしてその要因を深堀していくことが必要です。

②問題の把握
改善は自社工場の問題点を把握することが出発点となるのですが、問題点やその本質を正しくつかんでいないことが多々あります。中国人スタッフだけでなく日本人駐在員がつかんでいないのです。場合によっては問題点をつかめないのではなく、つかもうとしていないことすらあるのです。

そのようなケースでは、表面的な問題の対応だけに終始していることがほとんどです。また、データではなく感覚で捉えていることもあるので、必ずデータを捉え、中国人スタッフとはデータで話をするようにしてください。

 

③原因および対策
問題を認識すれば、原因を調査し対策を立案することになります。このときに日本とは違う中国独特の要因を考慮しないと問題の本質を捉えていないことになり、有効でない対策を打つことになってしまいます。前述した3M要因で見ていくことが非常に有効です。

④効果確認
対策実施後には、効果の有無を確認します。このときのポイントは、対策ごとに効果の有無がわかるようにすることです。いろいろな対策を一度に行うとどの対策が有効だったのかわかりません。効果のない対策は止めて効果のあった対策だけを実施するようにしたいものです。

⑤標準化
対策の効果が確認できたら今度は、それを標準化します。標準書や手順書に落し込むことが必要です。人が入れ替わることの多い中国では特に重要で、これをおろそかにするといつの間にか元の状態に戻ってしまうことになるのです。

日本と中国の違いを意識して取り組んでいただきたいと思います。

 

★中国工場・品質改善/生産革新セミナー開催のご案内
2019年7月4日(木)10:00~17:00
会場:東京・北とぴあ
受講料:3万7800円(税込)

「中国工場の品質管理/改善と生産性改善の進め方」
~ケーススタディ・ワークで受講者も一緒に考え、実践力を身に付けます~
中国工場の実状、品質管理及び改善の進め方、取引先指導の考え方・進め方、中国工場での生産革新(生産性向上)をするときの考え方・進め方を事例とともに解説。

詳細は、KPIマネジメントHP、下記URLから。
http://www.prestoimprove.com/seminar20190704.html

 

◆根本隆吉
KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント。電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導および品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走。著書に「こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善〈虎の巻〉」(日刊工業新聞社)など。

オートメーション新聞は、1976年の発行開始以来、45年超にわたって製造業界で働く人々を応援してきたものづくり業界専門メディアです。工場や製造現場、生産設備におけるFAや自動化、ロボットや制御技術・製品のトピックスを中心に、IoTやスマートファクトリー、製造業DX等に関する情報を発信しています。新聞とPDF電子版は月3回の発行、WEBとTwitterは随時更新しています。

購読料は、法人企業向けは年間3万円(税抜)、個人向けは年間6000円(税抜)。個人プランの場合、月額500円で定期的に業界の情報を手に入れることができます。ぜひご検討ください。

オートメーション新聞/ものづくり.jp Twitterでは、最新ニュースのほか、展示会レポートや日々の取材こぼれ話などをお届けしています
>FA・自動化、デジタル化、製造業の今をお届けする ものづくり業界専門メディア「オートメーション新聞」

FA・自動化、デジタル化、製造業の今をお届けする ものづくり業界専門メディア「オートメーション新聞」

オートメーション新聞は、45年以上の歴史を持つ製造業・ものづくり業界の専門メディアです。製造業DXやデジタル化、FA・自動化、スマートファクトリーに向けた動きなど、製造業各社と市場の動きをお伝えします。年間購読は、個人向けプラン6600円、法人向けプラン3万3000円

CTR IMG