ABB 塗装ロボットの研究開発・製造拠点、テクニカルセンターを公開

ABBは7月5日、静岡県島田市のテクニカルセンターで「ABB Paint Day」を開催した。同センターは塗装ソリューションの中核をなす塗装機器の研究開発、製造拠点で、ここで開発製造された製品が世界中に出荷されている。

「高粘度材料塗布向けディスペンサ協調型ロボットパッケージ」は、高粘度材料の塗布に必要な温度管理や吐出量管理用の機器をロボット動作と同調させ、材料供給から塗布までを一括管理するパッケージ。別々の機器の設定と調整が不要になり、塗布状況のフィードバックが速くなるので塗布品質を上げることができる。デモでは車体のシーリング材の塗布について、一括管理している場合とそうでない場合の品質の違いを見せるデモを行った。

「水性塗料による自動車車体の内板・外板塗装」では、最新のベル型塗装機とIoT機能を搭載した塗装ロボットによる車体塗装のデモを実施。色替えに対して頻繁に対応するには洗浄の速さと質が重要で、洗浄機能とIoTによる塗装機器の状態監視と洗浄機能により、塗装と機器の洗浄からの色替え、再塗装の一連の流れをスムーズに行った。

「SRP」はオフラインでティーチングができるロボット教示ツール。ティーチングハンドルを手に持ち、塗装するイメージでワークをなぞるとそのまま軌跡データが生成される。それをロボットに送ると、ロボットがその通りに動くようになる。ティーチング工数を数時間から数分に効率化するだけでなく、熟練作業者の技をデジタル化して技術継承にも役立つという。

このほか、オフラインで動作プログラム作成と動作や干渉チェックができる3Dオフラインシミュレーションソフト「Robot Studio」、ロボットシステムの状態を遠隔監視できる「Connected Service」を紹介した。

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